今年は本当に海外での発表が多かった、ドイツ、スペイン、オランダ、韓国は計3回。
海外での発表を重ねる中で、その土地や国ごとで出会う様々な人達との議論の中で、幾度も自分たちの考えを伝え、異国の相手の考えを聞いて行く中で私は一つの考えに至りました。当人の私達には見えていなかったけれど、それは多くの第三者の視点に曝される事によって様々な角度からAntennaの作品を考える中で、作品やコンセプトが本来持っていた大きなカタチが顕になったのではないかと思うのです。
私は、Antennaがこれまでに行ってきた作品の展開とは、日本人である私達が考える、一つの国家の在り方を考え直す行為であるのかもしれないと。
これはAntenna全体の意見というよりは私の個人的な意見なのですが。韓国という「国」の単位、その在り方を強く考えなくてはいられない土地での制作を経る事でその考えはより鮮明になってきたように感じます。
「国」って一体何ですか?その答えはまだまだ出そうにありませんが、Antennaの作品がこれから、よりいっそう面白くなっていくであろうと私は確信しています。
田中英行