インド滞在の記録/後編 ※前編はこちら

展覧会『8 Japanese Contemporary Artists 』のため、昨年10月中旬より12月までの間、個人(田中英行)の作家活動(http://tanakahideyuki.com/)としてインドに行ってきました。
そのインドでの滞在と展覧会の記録を紹介していきます。

※展示作品はこちらに掲載




11月14日デリー/ジャパンファウンデーションに到着
会場は当初見ていた会議室のような写真から一変し、キレイなギャラリーとなっていた。JPFの松岡さんが今後の事を考えギャラリーとして使えるよう改装したとの事。15時間の旅を終え疲れもピーク、荷物を下ろして一休み。



11月15日展示プランの変更
会場構成を再度練り直し各作家の展示場所について話し合う。映像を展示する作家が多いため会場構成はなかなか決まらず、私はスペース奥の倉庫部分を展示場所として選んだ。



11月16日制作開始
川西くんは早々に何処かで入手した印刷物を切り抜きコラージュを作り始めている。



この日はハウスカスという町へ、富裕層がショッピングや食事を楽しむ、オシャレな店が多いスポットだそう、南インド料理店でマハラジャタリーを注文する。



インドに来てから初めてグラフィティを発見する。



11月17日買い出し
デリーでの移動はこのオートリキシャを使う、徐々に相場も分かって乗車交渉も慣れきた。



この日は展示に使用するDVDプレイヤーや延長コードを求めてインドのアキハバラ的電気街へ、多くの商店が軒を連ねる。



11月18日オープンまであと少し
材料も揃った所でインスタレーションの制作にとりかかる、映像と倉庫のモノを組み合わせてインスタレーションを構築していく。





11月19日ニューデリー展オープン
和田さんがチャパティーを作るために小麦粉を練っている、展示スペースも作品が並ぶ。



アーティストトーク、各自英語でプレゼンテーションを行なう。一夜漬けで練習した英語で何とか乗り切ることができた。





パーティーには大勢の人、ライブとVJのパフォーマンスも街頭にまで多くの人が集まり大盛況であった。



11月22日ジャイプールへ
作家の半分はオープン後まもなく帰国していった。残った作家達で、オープニングで会ったコーディネーターに会いに行くこととなった。



シティーパレス、風の宮殿へ、ジャイプールは砂漠やマハラジャの文化が色濃く影響している街並み、観光客も多く見かけた。




11月23日ジャイプールの視察
コーディネーターさんの案内でブロックプリントの工房へ、染料や工程等についてさまざまなレクチャーを受ける。



インドの藍染め、泥で模様を描き染めるそう。



細密画の作家さんを尋ねる、様々な鉱物を粉末にし絵を描く姿に日本画の源流を感じる。こちらではメディウムはアラビアガムを使うそうだ。



11月25日アンベール城へ、展覧会の会場候補視察がいつの間にか観光となっしまった。



帰る直前、ジャイプールで受けた取材が掲載された記事を見つける、現地の新聞に大きく取り上げられた。



11月27日デリーへ戻り、帰国までの間パハールガンジに滞在することに、ここはデリー駅近くの観光客が多く訪れる繁華街、沢山の人々で夜遅くまで賑わっている。



近所のスパイス屋にて



ダージリンティーを購入、店主と後日チャイを飲みに行く約束をしたのだが、
後日高熱、倦怠感、腹痛に襲われ最後は宿で寝込んで過ごすこととなった。
一緒に滞在していた作家の皆さんには本当に助けられました。



11月30日最後のインド料理ドーサを食べる。



12月2日帰国/空港でうどんを食べる、久々に食す日本の優しい味に感動する

インド滞在まとめに続く

〼展覧会情報
8人の日本人アーティスト 東洋の交感
http://www.mutual-sympathy-in-the-orient.com/
往来にはリキシャーが行き交い、道ばたでチャイを飲みながら老人たちは活発に議論する。
じりじりと照りつける太陽がゆっくりとのぼり、大地は熱を帯びる。
少しオートバイを走らせれば、見渡す限りの大地に木々がゆれ、
土でできた手作りの家々と丁寧に編み出された伝統的生活が今も息づいている。
日本の若手アーティストたちがカルカッタ郊外のシャンティニケタンの自然や文化、
何百年も続いている自給自足の生活に触れて何を感じ、作り出すのだろうか。
約3週間の滞在制作を通して、同じ地で詩人タゴールと岡倉天心が議論を交わした未来の東洋像に今、迫ります。

・参加作家
  岩田草平 Sohei IWATA
  川西隆史 Takashi KAWANISHI
  小林史子 Fumiko KOBAYASHI
  田中英行 Hideyuki TANAKA
  戸田祥子 Shoko TODA
  松坂愛友美 Ayumi MATSUZAKA
  野沢裕 Yutaka NOZAWA
  和田昌宏 Masahiro WADA

・会場情報
  Santiniketan シャンティニケタン
  期間: 2011年11月12日 (土)- 11月19日 (土)
  時間: 11:00-19:00
  場所: SSVAD(Santiniketan Society of Visual Art and Design)
  New Delhi ニューデリー
  期間: 2011年11月19日 (土)- 2011年11月27日 (日)
  時間: 11:00-20:00
  場所: 国際交流基金ニューデリー日本文化センター
  The Japan Foundation, New Delhi

主催: 東洋の交感実行委員会
共催: 国際交流基金
協賛 : 資生堂
助成 : 公益財団法人野村財団, 財団法人ポーラ美術振興財団