《極普通之楽園 / Goku Hutsu no Rakuen》2010
Photo Collage / 2010
Antenna’s charactor “JAPPY” is clad in an assortment of symbols of Japan: yellow skin, a red emblem of the rising sun on his head, a pickled umeboshi plum for a nose, and a Mount fuji-shaped pattern on his belly.Jappy has a metaphor of today’s Japanese society which has developed through capitalistic system, and represents various social problems ironically and critically.
アンテナの作品のモチーフとしてたびたび登場するキャラクター「ジャッピー」は日本的記号、日の丸、富士山、梅干し、黄色い皮膚等から構成されている。「ジャッピー」はアンテナの創作した架空の歴史テーマパーク「ヤマトピア」のマスコットであり、このテーマパークにおいては神格化された存在となっている。「ヤマトピア」の存在は大量生産・大量消費によって生み出された日本の姿を暗喩しており、これらアンテナの作品群は現代社会が抱える様々な問題を滑稽に批判的にさまざまな切り口で表現している。
絵画作品は、古典的な日本の仏画の手法を用いた宗教的モチーフが多くみられる。これらは太古より生み出されてきたユートピア、極楽浄土、神仏のイメージが近代化以降の社会においてその本来の価値を失い形骸化し、人々の求める幸福や価値が消費社会によって生み出された抽象的なイメージや言葉に置き換えられた状況を表出させる試みである。