”Art in Daegu 韓国テグ市での滞在制作の記録”
今回Antennaはテグ市にて行われる展覧会「Art in Daegu」に招待され、現地での滞在制作とパフォーマンスを行う事になりました。展覧会自体は10/2より既に始まっており会期は10/19日までです。ここでは展覧会が始まるまでの記録を紹介していこうと思います。
9/29:材料の収集
今回のテグでの滞在制作は今までのAntennaのスタイルであった、物語を持ち込んでそこに作品を置く、というようなスタイルではなく、Antennaがテーマにしている歴史や文化がその場所の歴史や文化とどう繋がってゆくのか、その土地の歴史や生活の中にあるモノ、それらを素材にAntennaらしい作品を作り上げていこうと皆で考えていました。つまり今回の作品においてどんなモノ(材料)が集まるか、ということは非常に重要なファクターなのです。
こっちでは日本のような大型店舗はほとんど無いようで、小さな個人商店が何店舗も集まった市場で買い物をするようです。ここは玩具の市場です。
この日はドイツのボン美術館で展示の際、通訳をしてくれていたサンウンが韓国に丁度帰国していて、彼はソウルから遠路はるばる私達に会いにきてくれました。そこで彼にお願いして、一緒に買い物に出かけてもらうことに。
彼の日本語のおかげでいつもよりスムーズにコミュニケーションがとれたので、この日のうちに大半の材料を購入する事が出来ました。本当に感謝です。
古くからあるお土産屋さんです、お土産屋さんはその土地の象徴的な品々が多くあるので、日本の象徴「ジャッピー」との相性も良いものが揃っています。
 商売ってこういう在り方がより自然であることのように感じました、日本での私達の買い物って歪んでるのかもしれないですね、日本の方が便利で早いのはたしかですが。
塗料屋のおじさんはとても親切で、時間がかかるからと、少したどたどしい日本語を時折話しながら、店の奥のソファーに私達を座らせ、テレビのチャンネルをNHKにしてくれました。写真に写っている女性はクォンさんです、テグ市の職員さんですがAntennaは相当お世話になりました。
最後までどうしても見つからなかった太い縄、偶然にも見かけた作業中の植木屋さんが持っているのを発見し、交渉したところ、快く残ってる分を全部下さいました。
さっそく買った塗料で壁を塗っていきます、こっちで買った塗料は溶剤の刺激が強過ぎて、みんな足下がフラフラでした。専用のマスクが必要ですね。
今後の作業内容を話し合います。
荷物が届かないので確認の電話中。

すっかり夜です、街で流れる曲の音量がどこもあり得ないくらい大きくて、それらが混ざり合っていくのを聞いてると、前にみた藤本由紀夫さんの作品+/ーを思い出しました。
Antennaの棟梁、市村も今回はのこぎりと釘と金槌という最小限の道具で作業です。
ぼんやりと作品が見えてきました。作業日数はあと2日間しかありません。
田中英行